訪問歯科診療とは?
家で寝たきりの方、車椅子の方、病院で入院中の方、施設などに入所中の方など、歯科医院へ通院困難な方に対し、当院からその人の家や、病院、施設へ出向いて歯科治療や予防を行います。
これらの治療は、医療保険・介護保険の範囲内で行うことが可能です。
歯医者への通院で、お困りのことはありませんか?
① 時々歯が痛む
② 入れ歯が合わない
③ 歯医者の往診をしてほしいけど頼みづらい
④ 自分で歯磨きが出来ないので口腔ケアをお願いしたい
⑤ 食事のときにムセているけど、ちゃんと食べられているか診てほしい
お口のどんな困りごとでも遠慮なさらずにご相談ください。
よくある質問
- Q1入院しているのですが、治療してもらえますか?
- 入院している方でも、治療を受けることは可能です。 担当医師からの病気の治療計画、全身状態の情報提供書が必要となります。ただし、入院先に歯科のある場合は、医療保険制度上、歯科治療も原則的に入院先で受けることになります。
- Q2老人ホームに入居しているのですが、治療してもらえますか?
- 老人ホーム、介護施設に入居している場合でも、治療を受けることはできます。ただし、施設側の許可が必要になります。
- Q3治療費はどのくらいかかるのですか?
- 医療保険、介護保険ですべて治療できます。 居宅なのか、施設なのか、お一人だけか、複数人かによって、多少、算定方法が変わります。もちろん、治療内容によっても異なります。初診時、検診時におおまかにご説明いたします。
- Q4どの地域まで訪問してもらえますか?
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現在、伊丹市、尼崎市、西宮市、川西市、豊中市に訪問しております。
保険制度上は、当院より半径16キロ圏内であれば訪問可能ですが 継続的な口腔管理を行うために、お近くの連携医療機関を紹介させて 頂く場合があります。
まずは当院までご相談下さい。
ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、自宅で介護されている方へ
★ 居宅.施設.病院 で訪問口腔ケアを致します。
★ 施設職員、病院職員を対象とした勉強会も開催しています。
★ ケアマネージャーの同行は必要ありません。
★ 歯科往診は、ケアプランにおける給付限度額外となります。
(歯科訪問診療を受ける事で、介護サービスを調整する必要はありません)
通院できずにお困りの方がおられましたら ぜひ一度ご相談ください
摂食・嚥下障害とは?
摂食・嚥下とは、①食べ物を認識して口に取り込み、②口の中で食べ物を飲み込みやすい形にして、③口からのどへ、④のどから食道へ、⑤食道から胃へ、送り込む一連の流れをいいます。その流れのいずれかが障害され、食べ物をスムーズに飲み込めなくなることを嚥下障害といいます。 嚥下障害を生じると楽しいはずの食事が苦痛なものに変わってしまいます。また障害が重度になると、食事ができなくなったり、肺炎を引き起こすこともあります。
代表的な症状は?検査方法
治療方法
代表的な症状は? Presenting symptoms of dysphagia
嚥下障害でよく見られる症状には次のようなものがあります。
食べるのが遅くなった | やせてきた | 食べこぼす | 口の中に食べ物が残る |
のどの奥に食べ物が残る | 食事中にむせる | 咳が出る | 痰が多い |
のどがゴロゴロ鳴る | 肺炎を繰り返している | 頻繁に吸引が必要になる | 熱が出ることがある |
食べるのが遅くなった | 食べ物がつかえる | 食べ物や胃液が逆流する | 食事中にむせる |
離乳食の段階があがらない(小児) | 哺乳量が増加しない(小児) | なかなか飲み込まない | 食事中・後に湿った声になる |
誤嚥性肺炎とは? What is aspiration pneumonia?
誤嚥によって引き起こされる肺炎を、誤嚥性肺炎といいます。老人の肺炎の7割は誤嚥性肺炎といわれています。
口の中の清掃がうまく出来なくなった場合、細菌の数が増加します。その細菌の塊を唾液、食片や痰といっしょに誤嚥することが、誤嚥性肺炎の大きな原因です。むし歯、歯周病の予防だけでなく、肺炎などの呼吸器感染症を予防するためには、日常的な口の清掃が不可欠です。
検査方法 means of diagnosis
嚥下内視鏡検査 videoendoscopic examination of swallowing
嚥下内視鏡検査とは、鼻の穴から細い内視鏡を挿入し、のどの様子をモニターに映した状態で食事をし、飲み込みの状態を確認する検査です。
嚥下内視鏡検査では、普段の食事を再現しての検査が可能です。口からのどに流れてきた食物の状態(どのくらい咀嚼できているのか、どのくらい唾液と混ぜ合わさっているのか)を実際に映像で確認することができるので、普段の食事の姿勢、食物の形態、一口量などを評価することができます。
また、映像では気管の入り口も確認できるので、誤って食事が気管の中にはいっていく、誤嚥の有無も確認することができます。
一般的に、嚥下機能の検査には「嚥下造影検査」が行われています。嚥下造影検査とは、造影剤を入れた食物を食べ、エックス線画像で食べ物の流れ、誤嚥の有無などを確認する検査ですが、レントゲン装置が必要ですので、在宅、施設では実施することができません。 それに対して、嚥下内視鏡検査は、検査機器を持ち運ぶことができるので、在宅、施設での検査が可能です。
食事観察 observance
実際にお食事をしているところを観察します。どんな姿勢で食事をしているのか、どんな食事でむせるのかなど確認します。聴診器を併用することで、多くの所見を取ることができます。
治療方法 Treatment Plan
栄養指導 nutritional guidance
口腔内装置 device
義歯の作製だけでなく、PAP(舌接触補助床)を作成する場合もあります。
医科との連携 cooperation
VF検査(嚥下造影検査)や、嚥下関連手術など、医科的な診察が必要な場合は、連携医療機関への紹介を行っています。